(第1話 Birmingham in 1824 )
(第2話 Crooked Lane in 1831)
(第3話 The Range Expands by 1842)
(第4話 Moved To Bridge Street in 1847)
(第5話 John's Sons Take Charge in 1861)
1866年はキャドバリーにとって大きな転換点といえる年。
不純物の多く含まれる食品が横行した1860年代、キャドバリー兄弟がめざしたのは添加物なしの純粋なココアの製造でした。
ココア・エッセンス発売以前のキャドバリーのココアは、当時市販されていた他のココア同様、ココアバターの比率が高く、味と舌触りをよくするために糊料が添加されていました。ココアバターはカカオ豆の脂肪分、カカオ豆に40%から50%含まれます。ペーストをそのままお湯で溶かしても油が浮き飲めたものではない代物です。
オランダのヴァン・ホーテン社が導入したココアのプレス機がカカオ豆からあらかじめカカオバターを高い比率で抽出する技術を持っていることを聞きつけたジョージは、これならば糊料を添加する必要がないことに思い至ります。
プレス機は非常に高価、導入は大きな賭け。兄弟にそこまでの余裕はありません。しかし、この機械さえあれば、まだ誰も手がけていない、よりおいしく、質の高い商品の大量生産が可能になり、しかも未開の市場があると見込んだ兄弟は導入を英断。キャドバリーの一歩は英国のココア業界の流れすら変えることとなります。
そして、'Absolutely Pure. Therefore Best’をキャッチコピーに、添加物なし、低脂肪の新商品ココア・エッセンスが世に広く出ることとなりました。
キャドバリー兄弟のファミリービジネスが今のキャドバリー社に至る、ワールドワイドな展開が始まったのでした。
(次の話 Cadbury's First Easter Egg Made in 1875 )