配管工とギャングスター
何度か渡英経験のある方なら、下水関係のトラブルに悩まされた事があるのではないでしょうか。
イギリスでは、かなりの有名ホテルやレストランでもトイレ周りは 貧相な印象があります。便器も小さく、何よりも 水洗の勢いが弱くて、日本製のトイレに慣れた目には頼りなく感じます。(実際に故障も多いのですが・・)
これは歴史的背景があって、庶民に水を節約させるために、19世紀になるまでロンドンでは上下水道管のサイズは径1インチまで、と規制があったのです。
19世紀半ば、テムズ川の汚染がきっかけになって下水道改革が行われるのですが、まだまだ古い下水システムの影響が随所に残っているようです。
ところで、ウインストン・チャーチルが米国製のトンプソン機関銃を抱えた有名な写真があります。彼はトンプソンを "gangster's tool"と呼んで高く評価し、英軍用に大量購入したのですが、輸入が間に合わず自国で開発されたのが「ステンガン」ステン短機関銃です。
低コストで生産するため、余剰のスチールパイプを流用して試作されたスタイルは 一挺£2.5という安価ゆえ "plumber's nightmare" (配管工の悪夢 )と渾名されました。
しかし英国王ジョージ六世は この異型の銃を気に入ったようで国王用のスペシャルモデルを作らせて、射撃練習もしていました。