グレート ヤーモスで借りたレンタ カーで次に向かったのは北にある小さな街 ホルト。1時間半近くを湿地帯の田舎道を走りましたが 信号はゼロ。すべてround a boutです。草で先が見え無い細い道を飛ばすのは さすがに疲れました。
近くのショッピング サイトに駐車して訪れたのは レトロ テイラー オールド タウンのワーク ショプ兼 ショー ルーム。
レトロ テイラーといっても よくありがちな高級服では無く 労働着のテイラーなのが オールド タウン。
こちらだと英国イコール貴族みたいな幻想がありますが 英国の庶民に貴族の格好をする感覚はありません。
所有する土地からの上がりで生活する貴族を庶民は封建時代から残った英国の恥だと考えています。
ワーク スタイルでオシャレするオールド タウンの考え方こそ 実はベリー ブリティッシュ。
「お金ありますよ」というスタイルは ある意味すごく新大陸的で 貴族がいない国だからこその拝金主義でもあります。
このオーダー チャートも第二次大戦時中のCC41のユーティリティ クローズを彷彿させます。
物資の少ない戦時 華美さは恥とされ 共闘が必要な時代故に 服も家具も無駄の無い物が政府の統制下 配給されていました。
レディースも先日ロンドンのインペリアル ウォー ミュージアムで観た戦時中の配給服の特別展示にあった物に近いデザイン。
ワークウエアの本質を理解しているのは 衣類の在るべき姿を知っているだけでなく 人としての正しい生き方にも繋がるのではないでしょうか。
デザイナー兼オーナーのウィリアム ブラウンのパートナーのマリーが上のフロアを案内してくれました。
その時に話したのが ここ数年の流行 トラッピーについて。
トラッピーはトラッドとヒッピーが合わさってできた言葉。昔のヒッピーもヤッピーも働かなくて済む身分の ある意味 新貴族。収入源が社会保障か親の金かの違いはありますが。
こちらではトラッドもワークもレトロとして殆ど変わらない感覚ですが 本質が見える彼らにとっては大違い。
トラッドは貴族的で封建的なので高級なトラッド アイテムを着崩したスタイルのトラッピーに反感さえ感じている気がしました。
考えて見ればトラッピーも起こりはヤッピーと同じく新大陸の首都の働かなくても済むお坊ちゃん達がトラッド系の高級ブランド品を着崩したスタイル。
ブランド品をひけらかすのは英国人にとっては 気恥ずかしい事なのでしょう。
ある意味 最も英国的なクリエイターのマリーとウィリアム ブラウン。Good Luck!